スタンド・バイ・ミーを観る
久しく絶版だった(らしい)映画「スタンド・バイ・ミー」のDVDが廉価版、しかもコレクターズ・エディション - メイキングやロブ・ライナー監督の音声解説つき - でリリースされていたので迷わず購入。半兵衛父はこの映画が好きでね。あいにくと劇場では見逃したけど、その後、ビデオでは何度見たことか。もう20年以上前の映画だけど、エバー・グリーン・ムービーだ。
1959年、田舎町キャッスル・ロックの12才の4人組の少年が死体探しの小冒険に出るというお話。原作はスティーヴン・キングで「死体探し」とくれば「ホラー映画?」と思うかも知れないけれどそうじゃない。前思春期が終わる通過儀礼を、中年になった4人組の一人(彼は作家になっている)がストーリーテラーになって物語は進行する。
それぞれ家庭に問題を抱えた4人の少年。みんな誰もひとりぽっちじゃやってけないだろう。H.S.サリヴァン言うところの「チャム(親友)」同士なんだね、彼らは。前思春期〜思春期に同年代の同性と関係を築くこと(チャムを得ること)ができるどうかが、長じての精神生活に非常に重要であるとかのサリヴァンは述べている。
コレクターズ・エディションということで、特典も見てしまいました。舞台裏を知ることができて非常に興味深かったんだけど、手品の種明かしを見るみたいで、知ってしまうと、知らなかったときと同じようには楽しめないかもしれない。ちょっと見たことを後悔。そうだよなぁ、映画のメイキングとか音楽のDemo版なんてのは知らない方がいいんだよ、きっと。完成品をすなおに堪能して想像力をふくらませるってのがいいんだろう。
リチャード・ドレイファス扮する、作家となったゴードン・ラチャンスが最後にタイプしてディスプレイされる、
I never had any friends later on like the ones I had when I was twelve.
あの12才の時のような友達はもうできない、もう二度と.........
に続いてスタンド・バイ・ミーが流れるとやっぱりジーンとくるんだろうな。秀逸なラストです。